しかし天気は全然よくならない。上に行くにしたがって風も強くなってくる。引き返そうか?子供に聞いてみるが「行く」との返事。三の越を過ぎて、風を避けるため東側斜面に隠れてお湯をすする。
この後、単独行の人が寄りそうように後ろから付いてきてくれた。12時半頃、ついに頂上の社務所着。
おしっこを我慢していた彩夏は涙が止まらない。
常願寺川で拾ってきた石を持って3003mの雄山神社へ。よくがんばった!
社務所でゆっくり休み、お土産を買いおしるこをすすって下山。ザックの後ろにおれの雨具で彩夏を結わえておんぶする。遭難救助用に習っておいた方法だ。しかし、おれの背中で寒い、と言い出す。肺炎とか疲労凍死とかの言葉が頭をよぎる。三の越より少し下った所で上からさっきとは別の単独行者、優太をお願いして先に下り、一の越山荘へ。やがて優太も到着。既に3時になっていた。
どうする?室堂まで下る?と聞くと「もう一泊」と二人。もう一晩小屋にお世話になった。さすがにこの日は二人とも夜の7時から翌朝6時までぐっすり寝た。
翌日起きてみると晴れ。槍が岳も見えた。しかし室堂に下りみくりが池温泉に浸かる頃からまたガスの中になった。
ちなみにこの日の室堂の最低気温は2度、初霜がおりたそうだ。どうりで寒かったわけだ。

これで山は嫌いになったかな、と思い子供に聞いてみると結構楽しかったようで、何より自分の足で登りきったことが自信というか、一つのステップになったようだ。
優太の絵日記、「たてやまのがけをのぼりました」云々。そして矢印と×点の中を登る3人。そういう感性。景色がどうよりそういうことが面白かったんだろうな。
楽しい3日間でした。

室堂バスターミナルを出発! 室堂山荘付近のベンチで朝食のカップめん
2晩お世話になった一の越山荘にてウノで遊ぶ 風雨の中頑張って自分の足で登った雄山頂上。常願寺川の河原の石を置いてきた